農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

26年度採択

経済界のマネジメント手法導入による最適農業経営スキーム

企業再生・経営効率化のノウハウを応用した農業経営モデルの確立

農業界代表:(有)トップリバー
経済界代表:(合)フィフス・アロー

コンソーシアム形成の経緯

近年、国内の農業就業人口が減少する一方で、農地借入等による一般企業の農業参入が増加しています。しかしながら、農業経営に対するノウハウは未だ不足しており、参入企業が直ちに利益の出る体質にならないのが現状です。
コンソーシアムにおける農業側の代表である有限会社トップリバーの嶋崎社長は、株式会社ブルボンの製造部門を担当した経歴を持っています。農業界に足を踏み込んでから、嶋崎氏は農業界における生産、農地確保、農業経営に関するノウハウが不足していることを肌で感じ、その解決策を3、4年前から模索していました。
一方、経済界側の合同会社フィフス・アローの代表社員である丸山氏は、巨大リゾートの再生の立役者になるなど、製造業・金融業・サービス業などの幅広い業界で活躍していました。
この2人が初めて出会ったのは、平成13年の長野県立農業大学校の改革委員として同席した時のことです。日本の農業界においては、技術・ノウハウの体系化・標準化を図り、普及させることが必要であるとの考えで、2人は意気投合し、両者の技術・ノウハウを投入し、最適農業経営スキームを体系的に構築していたところ、平成26年度より先端モデル農業確立実証事業が開始することを知り、最適農業経営スキーム開発のスピードを上げるために、コンソーシアムを組むに至りました。

プロジェクトにかける想い
 農業経営の特徴の一つに、経営者の管理不能な部分が他産業と比べて広範囲に渡ることが挙げられます。例えば、自然環境、市況、農業特有の慣習(仕事の進め方、契約方法etc)等です。これら管理不能な部分に立ち向かうためのノウハウは、熟練者の長年の経験の中で培われるものであり、数値化・定量化するのは非常に困難です。ここに、新規参入企業・個人が就農しても、経営が軌道に乗るまで時間を要する大きな原因があります。コントロールできない部分に立ち向かうためのノウハウを体系化・標準化することが、本プロジェクトの挑戦です。

 経済界では、単なる最新設備の導入だけでは企業経営は成り立たず、ノウハウの継承、作業の体系化・標準化、人材育成を重視しなければならないことが、既に広く認識されており、様々なマネジメント手法が導入されております。
 日本の農業においても、農機具といったハード面でのコスト改善だけでなく、経済界のマネジメント手法を取り入れることで、ソフト面でのコスト改善及びそれらの効果的な普及方法を確立していかなければならないと、考えています。


技術

フィフス・アローが様々な業界で実践してきた品質改善の主な手法は、以下の通りです。
(フィフス・アローメソッド)
 課題解決を定量的・定性的に行っていく工程管理手法であり、「目標設定→現状認識→ギャップ分析→改善アクション→達成度検証→目標設定…」という流れの中で、改善を行います。現状とのギャップを把握し、その原因を探り、効果的かつ即効性の高い改善アクションを実行し、サイクルを回していく手法です。

(ダッシュボード)
 組織内で収集されている全情報を洗い出し、重要情報を図表化することで改善を行う手法です。具体的には、先ず、トップリバー内で蓄積された農業・営業の全ての情報を棚卸し、経営の指標となる重要な情報を厳選し、見える化します。次に、その情報を全社員が共有すると共に、改善を目指していきます。
(ドリリング・セッション)
 問題を発見し、認識している人がセッションを提案し、関係スタッフ間で問題を再確認し、解決策を提案するミーティング手法です。問題の権限保有者は解決策について“Yes”“No”を判断し、解決策を実行することにより、効果を確認していきます。

 これらの品質改善手法を用い、第Ⅰ段階としてはトップリバーのコスト低減・収益性向上を図ります。この過程の中で、ノウハウ・技術の充実、蓄積を進め、第Ⅱ、第Ⅲ段階ではノウハウを体系化・標準化することで、様々な状況でも対応できるシステムを構築していきます。

[更新]

将来展望

 来年度以降は、ノウハウ・技術の充実を進め、農業技術・品質管理手法・マネジメント・GAP対応・農地取得等がコスト低減・収益性向上に資するようなシステム化を進めます。さらに次のステップとしては、パイロット企業を募り、その企業から研修生をコンソーシアムに受け入れ、パイロット結果を受けて、システムを更に継続的に改善していきます。
 このシステムにより、営農初年度より黒字化できる体制を構築し、既存農業事業体に対しては、原材料費及び人件費について10%の削減を行います。このような目的を達成することで、最終的に本プロジェクトが目指す「農業従事者1人当たりの所得を日本における他産業の平均所得まで引き上げること」が可能となるのです。

事業二年度目

事業二年度目の状況

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2014年度は、改善対象主要項目を特定し、それぞれの現状把握を定量的・定性的に行いました。その過程で、トップリバーの研修生の「数字」に対する意識をより強化し、研修生自身で担当圃場の経営分析が的確に行えるよう教育プログラムを構築・体系化しました。
営農・営業・経営に関して、『トップリバーのプロセスマネジメント』から『土作り』、『お金の話(財務)』など約20科目に及ぶ実務に即したカリキュラムを作成しました。また社内トレーナーを育成する目的で、社内トレーナー用テキストも充実させました。
このプログラムをもとに全社員を対象に集中セミナーを行いましたが、研修生は、「数字」に対する意識をより強く持つようになり、さらには、日々の業務とのつながりもより明確に理解できるようになったと思います。またセミナーは、インタラクティブな構成を意識したため、部門・農場の垣根を越え、横断的に情報、ベストプラクティスを共有するコミュニケーションの場にもなったと思います。

トップリバーでは「トップシステム」という創業以来のデータを蓄積したシステムを導入しています。この「トップシステム」のデータを可視化する「モーションボード」を導入することにより、以前からの課題であった圃場別損益が見やすくグラフ表示され、今では月次で損益管理が可能となりました。このシステムでは、圃場別損益だけでなく、作業状況、出荷状況なども可視化できます。

本実証事業を通じて品質改善手法やICTシステムの導入を行ってきましたが、このようなビジネスツールを有効に活用して、農業経営者が自らリードして業務改善への取り組みをいかに継続していくかが、今後の課題だと考えます。この課題は、継続的な教育プログラムを通じて解決していきたいと思います。
今後トップリバーでは、社内トレーナーを育成し、今回策定した教育プログラムを随時改訂・更新して、変化する農業経営に対応していく予定です。

フィフス・アローでは、この実証事業をもとに普及に向けたサービスを紹介するパンフレットを作成いたしました。組織化を図る農業法人を対象に、損益改善、プロセスマネジメントの合理化、人材育成プログラムの構築等のサービス提供を考えています。

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