農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

26年度採択

高溶存酸素ファインバブル水を用いた養液土耕栽培コンソーシアム

養液土耕栽培におけるトマト栽培において高品位で収穫量を周年を通じ安定させる為、各種センサで環境情報を監視し、時期ごとに最適な灌水・施肥を実施する。

農業界代表:(株)サングレイス
経済界代表:IDECシステム&コントロールズ(株)

コンソーシアム形成の経緯

(株)サングレイスは、モスバーガーチェーン向けの野菜の栽培を目的として設立された農業生産法人です。モスバーガーが主たる出資者となり、モスバーガーチェーンで使用する野菜を作るためという、マーケットインの思考が設立の始点となっている点で、一般的な農業生産法人の成り立ちとは少し異なっています。(株)サングレイス社長の杉山氏は、もともとパソコン関係の仕事に就いていましたが、親戚が菊川市で農業を営んでいたことがきっかけで農業の道に入り、以後トマトの栽培を続けてきました。ほぼ自己流でトマトの栽培を始め、まともな実が収穫できるまで3年を要したという杉山氏でしたが、たゆまぬ努力と技術研究の結果、現在の隔離溶液土耕栽培という技法にたどり着き、高品質なトマトを安定的に栽培しています。
一方、IDECシステムズ&コントロールズは、太陽光発電・植物工場・土壌浄化をビジネスの中心としている企業です。同社の有するファインバブル生成装置(GALF)はもともと土壌浄化を目的に開発がスタートした技術でしたが、メガソーラー、土壌浄化、農業のビジネスを有機的に結び、相乗効果を高めていくという会社の理念から、農業分野での応用を目指していました。
偶然にもIDECとモスバーガーの従業員との間に縁があったことをきっかけとして、(株)サングレイスともつながりができ、先端技術を農業に応用しようとするIDECと、先端技術を意欲的に取り入れているサングレイスがお互いを理解するのには時間はかりませんでした。

2011年の夏より、サングレイスではIDECのファインバブル生成装置を導入して灌水に高溶存酸素ファインバブル水を供給し、すでに根部分の活性による樹勢向上効果が得られていました。しかし、年間を通じて見ると気候の変動に伴い樹勢が低下する期間があるという課題が見えてきました。当該課題を解決するには樹勢を維持し、年間を通じて安定的な収量を維持するには、気候などの栽培環境の変化に応じて灌水・施肥を調整する技術が必要になったのです。
そして今回、樹勢バランスの維持を可能とし、年間を通じてより安定的な収量を確保することのできる溶液土耕栽培技術の確立に向け、両者がコンソーシアムを結成することになりました。

プロジェクトにかける想い
 (株)サングレイスが年間収量の安定化・収量増加を強く目指している理由は、杉山氏の目指す農業の形にあります。
 サングレイスでは、農業で将来独立を目指している人は従業員に採用していません。安定的な生産ができ、安定した顧客がいれば、農業生産法人も一般の事業会社と同水準の従業員への待遇・年間雇用が可能であると考えています。そのためには、年間を通した収量の安定と作業量の均一化、気候の変動をなるべく受けない設備が必要となるのです。
 今回の実証実験で、年間の収量を安定させる栽培方法が確立され、広く普及すれば、農業生産法人が一般企業となんら遜色なく従業員の受け入れができ、ひいては未来の農業の発展にもつなげられる可能性が見えてきます。そんな未来の農業の姿を目指し、当コンソーシアムでは実証実験を進めています。


技術

品質の良いトマトを高い収量で安定させるには、トマトに適度なストレスを与え続けることが重要になります。サングレイスが行うトマトの越冬長期栽培においては、春は収量が多くなりますが、冬の寒い時期は樹勢が低下し収量が落ちます。だからと言って年間を通して常時灌水・施肥を十分に行い続けると、もともと収量の高い春の時期はトマトにとって過度に快適な環境となってストレスが無くなり、逆に収量が落ちてしまいます。年間を通じて収量を安定させるには、環境と樹勢の関係を把握し、適度なストレスを与えられる適切な量の灌水・施肥が必要になるのです。
 そこで、コンソーシアムでは圃場に灌水・液肥供給システムと溶存酸素量、日射量、水温、土中温度、土中水分、気中温度、気中湿度などのセンサを設置し、環境要因と樹勢との関係を把握することにより、得られたデータを元に活性コントロールのための最適な制御方法を確立させます。

[更新]

将来展望

 実証実験から得られたデータの分析および対応する適切な灌水・施肥を行うことで、年間を通じた樹勢バランスを安定させ、全体収量を12%増加、モスバーガー向けに出荷しているLサイズトマトの収量を41%増量させることを想定しています。これにより農業経営の収益向上を目指します。

事業二年度目

事業二年度目の状況

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実証圃場であるサングレイスでは8月にトマトの苗を定植し、10月~翌6月を収穫期間としています。 前年度は、高溶存酸素ファインバブル水がトマトの収量に与える影響を確認するため、圃場内をレーン毎に高溶存酸素ファインバブル水の処理区・無処理区に分け、収量比較を行う実証実験を行いました。その結果、処理区においては収穫量が増量するという良好な結果を得ることができました。
今年度は実証圃場の全てのレーンを処理区とし、各レーンに異なる環境設定を行うことで、高溶存酸素ファインバブル水を灌水する時期・量の最適点を模索する実証実験を行っています。
実証に使用している高溶存酸素ファインバブル水生成装置は1,500ℓ/hの生産能力を持っていますが、施設の必要量に合わせて仕様は変更する予定です。また、高溶存酸素ファインバブル水が作物の収量を向上させる効果については、他の葉物野菜などでも実証されていますが、どのようなメカニズムで収量が増加するかの解明には至っていないため、今後そのメカニズムの解析もできればと考えています。

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